「英国王のスピーチ」を観ました

公開直後に劇場に足を運んだものの混んでて観られず歯がゆい思いをしていたたのですが、上映館が増えたこともありようやく観ることができました。アカデミー賞作品賞受賞作らしく完成度が高くて良い映画でした。特に脚本と俳優陣の演技が素晴らしい!

この脚本の素晴らしいところはたくさんあると思うのですが、私がすごいと思ったのは全く無駄がないところです。

まず、とにかく主人公ジョージ6世のパーソナルな視点で描くことに徹し、彼の教師でストーリー上最重要人物であるライオネルについても、その背景や過去については深入りせず最小限の描写にとどめています。

基本的に彼の見える範囲以外のことは描かないことで、彼に感情移入がしやすいつくりになっていたと感じました。

戦争に向かう時代の王室が舞台ということで、政治や戦争の話を全面に出すことでスペクタクルにするという手法だってあったと思います。しかしそうせずにジョージ6世が障害に立ち向かうという物語のみに集中し、とことん無駄を省いて緊張感のある脚本に仕上げた脚本家の手腕に脱帽です。

ただ、いい脚本だったとしてもそれを演じきれる役者がいなければ、いい作品は生まれません。特にコリン・ファースとジェフリー・ラッシュの演技は圧巻でした。最後のスピーチのシーン、二人の演技は必見です。

演出も脚本と演技の素晴らしさを活かす、過剰さを排したものでした。斬新なことはやっていないけど、基本に忠実でトータルの完成度が高い作品。スクリーンプレイシリーズで出版されないだろうか。脚本の良い教科書にできそう。